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【食農ネットだより】第4号(転載)

地域に根ざした食農教育ネットワーク
…………………………………………………………………2005年7月13日発行………
 ちょっと転載が遅くなりましたが・・・(^^;

【食農ネットだより】第4号
http://syokunou.net
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食と農は地域の自然と人間がかかわる最も根源的な営み。
このネットワークは、その食農によって、学校と地域の連携と、
地域の人とモノの再発見をすすめ、子どもたちの生きる力と地域の可能性を拓こうとす
る人びとが集う<場>です。
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■目次■
1. 速報「地域に根ざした食農教育ネットワーク」設立記念フォーラム開く
2.リレーエッセイ 第3回「伝統的智恵を学び続ける」木俣美樹男
3.「食農教育交換日記」の近況報告
4. 〆切り間近! 食農教育講座2005(先着30名)
5. 今月の主張欄より 戦後60年 今、「変わらないこと」を見つめる~
   『写真ものがたり 昭和の暮らし』完結に寄せて
6. 農業書センター企画 田んぼの本 フェア
7. 会員のみなさんより おすすめイベント情報

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◆1.速報「地域に根ざした食農教育ネットワーク」設立記念フォーラム開く
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2005_0720a


「ふるさとを創る力!」をテーマに、7月9日東京・有明の東京ビッグサイト101会議室にて、
開催された。参加者は111名。内訳は教員(小中高校)30人、大学教員12名、栄養士9名、
NPO8名、マスコミ・出版8名、公務員7名、会社員7名、農家6名など。
 
第1部 記念講演「自然と人間、共同体のあり方から教育を見直す」内山節さん(哲学者)
【参加者の感想から】
★人々の価値の一本化のおそろしさや一人の人間がいくつかの集団に属することの重要さについて、
「う~ん!!」とうなづいてしまいました。まさに私たちがやるべきことはこういうことなんだと、
改めて感じました。

【講演要旨】
 教育制度ができる前から日本には村・共同体の教育があった。
人々はその質的にも地理的にも多層的な共同体に属しながら、
共同体にとって大事なことは先輩から後輩へと口で伝えられた(「非文字の学問」)。
制度としての教育が肥大化する一方、サラリーマン社会となって家庭で伝えるべきことも、
その地域に住みつづける意味も判然としなくなった現代において、
食農教育がどのような役割を担っていくのか、理論的に解明すべき課題を明らかにした。

第2部 ふるさとを創る-地域実践とコメント
【参加者の感想から】
★多様な実践や活動、魅力ある発表者で、2時間があっという間でした。
★「理論の必要性」という課題に行き着いたところがよかった。人選もすばらしい。
★持ち時間が少ないように感じましたが、かえってそのほうが要点が押さえられていて
よかったかもしれません。体験に裏付けられた言葉は重みがあります。

【実践報告要旨】
●報告1 山形県米沢市立三沢西部小学校校長の伊澤良治さん
「花粉症だから栽培にかかわりたくない」「土は嫌い」というような教師がいるなかで、
給食の自給率を10%という具体的な目標をかかげて、全学年で食農教育に取り組む。
それを支える学校と地域連携のしくみづくり。(『食農教育』2004年3月号)
●報告2 高知県南国市奈路の農業・川村一成さん
奈路小学校の児童数が14名と閉校の瀬戸際に追いこまれるなかで、
「子どもに何かをさせるのではなく、大人が地域で勝手に楽しんでいる姿を見て、
子どもが地域に誇りをもつ」をモットーに、地域のおとなたちが泥んこ球戯大会・運動会、
奈路川環境調査、畦道探検団など、ユニークな実践を繰り広げてきた。
(『食農教育』2004年9月号)
●報告3 埼玉県新座市立西堀小学校学校栄養職員・猪瀬里美さん
子どもたちが普段の生活で食材と向き合うことが極端に少なくなっているなかで、
地場産給食を生かし、「ヤングコーン(トウモロコシの二番穂)の皮むき」などの、
体験に取り組む。栄養士が地域の農家に学んで教師や親を食農教育に巻き込んでいく手法。
(『食農教育』2004年4月増刊号)
●報告4 鹿児島県串良町柳谷集落の自治公民館長豊重哲郎さん
「行政に頼らない地域おこし」をモットーに、地域の未利用資源を高校生や高齢者の力で活用し、
農業・福祉・経済の新しい循環を集落に生み出していく。
(『食農教育』2003年9月号、『農村文化運動』175号)
●報告5 東京都狛江市立緑野小学校の田揚江里さん
五平もちをつくるためにゴマを栽培し、すり鉢でするなど、農と食の体験が知識と生活を結びつけ、
言葉を豊かにしていく実践。(『食農教育』2004年5月号)
 
【総合討論とコメント】
総合討論では食農教育をすすめるための校内の組織づくりや地域との関係づくりのありかたや、
地域の人のもっている技や知恵を「つまみぐい」するのではなく、
生命のサイクルにふれるような深い実践にたどりつくための理論の必要性などが、嶋野道弘さん
(文教大学教授、食農教育ネットワーク代表委員)をコーディネーターとして議論された。
 最後に、上越教育大学教授の小林毅夫さんが「新しい時代のコアカリキュラム」という観点から、
ESD-J事務局長の村上千里さんが「持続可能な未来社会をつくる」という観点から5つの実践を整理した。

第3部 活動交流会
【参加者の感想から】
★元気が出ました。それぞれのお話をうかがうことで、自分たちのやっていることを客観的に見ることができました。
★皆、パワフルで圧倒されました。

【スピーチの内容】
食農教育ネットワークにかかわる3つの地域研究会、「かごしま食農育フォーラム」
(神田嘉延さん)、「とくしま総合的学習研究会」(藤本勇二さん)、「K00ネット」
(新潟・常山昭男さん)の報告のあと、森川千鶴さん(東京・おつまみ作り隊)、
勝野美江さん(農林水産省)、田村学さん(文部科学省)、有賀茂人さん(長野・農業)
がそれぞれの立場からネットワーク正会員として期待と決意を表明した。

※写真入りのレポートを食農ネット・ホームページに掲載します。

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◆2.リレーエッセイ 第3回
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「伝統的智恵を学び続ける」
東京学芸大学教授(民族植物学・環境教育学) 木俣美樹男
 最近、欧米の研究者たちから知識体系には二種類があることに気づかされた。地域で
の自らの体験に基づく伝統的智恵と教師から伝達された科学的知識の体系である。日本
の学校教育では科学的知識の体系を中心に教え、科学技術や都市を栄えさせてきた。し
かし一方で、家庭や地域社会を支えてきた伝統的智恵の体系は伝承できなくなり、工芸
技能や農山村は衰退させられてきた。日本の教育はこれでほんとうによかったのだろう
か。高齢化に向かうなかで日本の伝統的智恵の体系を身につけた古老たちはいよいよ彼
岸に召され、少子化/IT化に向かうなかでますます体験的に学ぶ機会が少なくなり、伝
統的智恵は体系を失って伝承できなくなる。今こそ、どうか親たち、大人たちは学力低
下論などに惑わされず、教育の不易の本質や根底はどこにあるのかをしっかりと見極め
てほしい。
 人間は動物であるが、農耕文化に支えられている。他の生物種を育て、殺して、食べ
ることなしに生きていくことはできない動物でありながら、人間はこの行為に罪業と感
謝の精神性をもつ存在でもある。この意味で、農耕と食事は環境学習の基層であるとい
える。伝統的な、地域固有の生物文化多様性を保全、再創造し、とりわけ雑穀など畑作
物在来品種の種子とこれをめぐる農耕文化基本複合を合わせて保存するシードセーバー
ズも食農教育ネットワークにおいて重要な役割をもつだろう。

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◆3.「食農教育交換日記」の近況報告
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日野先生は、「トマトが赤くなった」と子どもたちと歓声をあげたりしながら、相変わ
らずたんたんとしたペースで学校生活を送っています。日野先生の日記を読んでいると、
ゆったりとしたリズムで時を過ごしていくことが、現代の子どもたちには(大人にも)、
とても必要だという気がしてきます。そういう記述の中に、「なぜ自分だけ北斗七星が
見えなかったか」という一文が挟まっていて、子どもが学びにつまずく理由を把握する
秘訣を伝えてくれます。
 汲田先生は、怒涛のような盛り上がりを見せた「蚕の学習」が、ようやく終末を迎え
るはずだったのですが、子どもたちは蚕に卵を産ませて、また飼いたいと言い出してい
ます。汲田先生は、ほかにやりたい課題もあるし、エサの桑の確保も大変だし、という
ことで、蚕とはサヨナラしたいのですが。いったいどうなることでしょう。
 藤本先生は、しばらくお休みでした。パソコンが壊れたのと、忙しさで藤本先生自身
が壊れかけたのとで、発信できなかったそうです。
(病気になったわけではなさそうなのでご安心を)。「地産地消うどん」をめざす活動で、
最近、復活しました。今後の活躍を、乞うご期待!

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◆4.〆切り間近! 食農教育講座2005(先着30名)
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ご好評の信州栂池(つがいけ)での「食農教育講座」。今年も独自の角度から暮らしの
「知恵」や「技」に迫ります。炭焼きやおやきづくり、薬草採取や農家ステイなど、暮
らしの達人たちが続々登場。オリジナルなわざをとおして、地域に生きる人生哲学まで
語っちゃってもらいましょう。
http://syokunou.net/modules/news/article.php?storyid=17
昨年のようす。
http://www.ruralnet.or.jp/syokunou/200411/11_tsugaike.html


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◆5.今月の主張欄より 戦後60年 今、「変わらないこと」を見つめる~
   『写真ものがたり 昭和の暮らし』完結に寄せて
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高度経済成長がはじまる前後の昭和30~40年代に、各地の写真家が写した約1750点の生
活記録集である『写真ものがたり 昭和の暮らし 全5巻』(須藤功著)が完結しました。
「牛の鼻取り」「孫を子守する老漁師」「倉祝い」などの写真が語るものとは? 人類の
進歩を支えた合理的・科学的認識の肥大化と、その一方で見捨てられてきたもの--自然
や作物との一体認識、感謝の祈り、本当の意味での国際的視野など--について論じます。
http://www.ruralnet.or.jp/syutyo/2005/200508.htm

▼『写真ものがたり 昭和の暮らし』
http://www.ruralnet.or.jp/books/syashin/index.html
▼著者の須藤功さんといっしょに信州の農家を訪ねませんか?
(8月2日(火)~4日(木)食農教育講座2005)
http://syokunou.net/modules/news/article.php?storyid=17

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◆6.農業書センター企画 田んぼの本 フェア
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一般の書店には売られていない本や下敷きも含めて、この夏、農業書センターが推薦する
「田んぼの本」12点です。
http://booknews.ruralnet.or.jp/index.php?itemid=141

▼「田んぼの生きものポケット図鑑」プレゼント(送料別)
静岡県の水土里ネットいわた用水では、過去二年間に行なった田んぼの生きもの調査に基
づいて、使いやすいポケットサイズの生きもの図鑑を3000部作成しました。裏表紙には14cm
の目盛りが印字されており、その場で実物を見ながら調べられることが魅力。総合学習などで
役立てていきたい。他地域の方にもお分けします、とのこと。
http://syokunou.net/modules/news/article.php?storyid=40

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◆7.会員のみなさんより おすすめイベント情報
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7月14日(木)まで
ひと・むし・たんぼ展開催中(長野県伊那市)
http://syokunou.net/modules/news/article.php?storyid=35

8月2日(火)
学校の動物飼育講習会「こころ・いのちを大切にする学校教育」(広島県広島市)
http://syokunou.net/modules/news/article.php?storyid=22

8月4日(木)
日本農業教育学会シンポジウム「食と農の教育の接点」(香川県高松市)
http://syokunou.net/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=29&forum=4&post_id=54#forumpost54

8月5日(金)
KOO(くう)ネット魚沼フォーラム!(新潟県魚沼市)
http://syokunou.net/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=25&forum=3

8月7日(日)
総合的な学習を推進する緊急シンポジウム-子どもたちと日本の未来に活力を-(東京都新宿区)
http://syokunou.net/modules/news/article.php?storyid=39

8月27日(土)
第3回 全国学校飼育動物研究会シンポジウム「園・学校で命の大切さを実感できる飼育を」(栃木県宇都宮市)
http://syokunou.net/modules/news/article.php?storyid=21

8月27日(土)~28日(日)
竜馬のふるさと・融合フォーラム2005in高知~学社融合維新の夜明けぜよ~
http://syokunou.net/modules/news/article.php?storyid=42

▼みなさんの参加・出演するおすすめイベントを教えてください。随時ホームページに
▼アップして、情報共有していきます。なお、正会員の方は自由に書き込むことができます(事務局)。
連絡先
syokunou@mail.ruralnet.or.jp
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◇あとがき◇
 食農教育ネットワーク設立記念フォーラムは「東京国際ブックフェア」と隣接した会
場で開催された。農文協ブースの特徴は実物と本・データベースをつなぐ展示。田んぼ
の生き物コーナーの呼び物はシマヘビ、ジムグリ、ヒバカリの3種類のヘビである。シマ
ヘビはカエルが好き、林床にすむジムグリはネズミが好き、湿地にすむヒバカリはオタ
マジャクシが好きと、エサやりも大変だ。さまざまヘビがいるような複雑な自然環境が
残る田んぼは、食物連鎖のピラミッドをなす生物も豊富という話をした。年配のお客さ
んからは「昔はジムグリがたくさんいて、野原でうかつに尻をめくれなかった」などと、
楽しい話を聞いた。
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□本メールマガジンの配 信 停 止を希望される方は、事務局あてにメールをお送りください。
syokunou@mail.ruralnet.or.jp
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━次回発行予定:平成17年8月12日(金)━
食農ネットだより
 サイト:http://syokunou.net
 メール:syokunou@mail.ruralnet.or.jp
 発行元:農山漁村文化協会 教育雑誌編集部
 連絡先:〒107-8668 東京都港区赤坂7-6-1
 電話03-3585-1149 FAX03-3585-6466
当メールマガジンの著作権は各執筆者及び農山漁村文化協会に帰属します。
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